ブタのイロハ
The ABCs of Pig

豚って?

ブタは、何でも食べる、好奇心が強い、とても頭がいい、大人しく人馴れしやすいといった特徴があり、かわいくて、どこか動きがおもしろく、たいへん親しみのあるユニークな顔をしています。
また、「豚は幸せを運ぶ」といわれたり、「金運アップ」のモチーフにもなったりして、世の中はたくさんの豚ちゃんグッズであふれています。さらに、子だくさんで 安産ということもあり「子孫繁栄」、そしてなんと言っても「富と繁栄の象徴」として、人々から愛されています!
養豚って?
人々が食べることになるブタのことを肉豚 (にくとん) といいます。その肉豚をつくる雌豚 (めすぶた) と雄豚 (おすぶた) のことを種豚 (しゅとん、たねぶた) といいます。また、雌豚は母豚 (ぼとん) 、雄豚は止め雄 (とめおす)とも呼ばれています。養豚とは「肉豚や種豚をつくるために豚を養うこと」になります。
農場としては、種豚をつくる「種豚農場」、子豚を生産する「繁殖豚農場」、子豚を 肉豚に育てる「肥育豚農場」、そして繁殖から肥育まで行う「一貫農場」があります。


たくさん産む種豚を改良したり、人々が食することになる肉豚をつくることで、その経営が成り立っています。こういった種豚や肉豚をつくるということは、人々にとって貴重なタンパク源である豚肉、つまり食品をつくりだす工場のひとつだということができます。
近頃の養豚業界は設備化がすすみ、働き方が大きく変わってきています。IT化・DX化も浸透してきており、「キツくない」、「汚くない」、「稼げる」、「週休二日」という考え方がどんどん広がっています。
これからの養豚は、もっと楽しく、かっこ良く、プライドを持って働ける農場が増えていくでしょう。

母豚 (ぼとん、ははぶた) って?
良い母豚として、分娩する子豚の数や均一性、肢蹄の丈夫さ、子育て上手さ、泌乳力等を兼ね備えた優秀な遺伝子を持つ個体が選ばれています。
母豚は生後5ヶ月令を過ぎたころから発情を開始して繁殖供用開始に向けた体の準備を始めます。そして大体8ヶ月令で交配して繁殖サイクルがスタートし、ほぼ正確に114日で分娩を迎えます。その後、授乳期間(21~28日間)を経 て、子豚と離れ、再び交配に向けた準備期間となります。
母豚が一回に産む子豚の数は、多くの場合10頭以上であり、中には20頭以上分娩する母豚もいます。子豚を産む間隔は約10分と短く、2~3時間ほどで終了します。ほとんどの母豚は人の助けを必要とせず、自分の力のみで子豚を産みます。

雄豚 (おすぶた) って?

良い雄豚として、生産する肉豚の発育や飼料要求率に優れ、肉豚に求められる優れた外貌(体型)と肉の美味しさを兼ね備えた、優秀な遺伝子を持つ個体が選ばれています。
雄豚はおよそ6カ月令から繁殖能力を身に付け、約8カ月令で繁殖供用開始となります。繁殖方法としては母豚と交尾する 「自然交配」 と、人が採取した精液を母豚に注入する「人工授精」の二つの方法があります。人工授精では、1頭の雄豚から年間およそ1,000本以上の人工授精用精液を製造することができ、雄1頭で約100頭から200頭の母豚の年間の交配に対応できることになります。
以前は「自然交配」が主流でしたが、人工授精はより優秀な遺伝子をより多く生産に 活用できること、また防疫面や衛生面、労力面の観点から、現在では人工授精が主流となっています。

種豚 (しゅとん、たねぶた) って?
種豚をつくるための父と母を「原種豚 (げんしゅとん) 」、さらにその原種豚をつくるための父と母を「原々種豚 (げんげんしゅとん) 」といいます。
それぞれに英語表記があり、肉豚はCS (Commercial Stock)、種豚はPS (Parent Stock)、原種豚はGP (Grand Parent)、原々種豚はGGP (Great Grand Parent) と呼ばれています。
GGPはま さに種の頂点に存在しており、私たちプライフーズ・ハイポー本部は、育種改良を経てより良いGGPを産み出すことを主眼としているのです。

銘柄豚って?

大切に育てられて生きているいる時は「肉豚 (にくとん) 」、店頭に並んだら「豚肉 (ぶたにく) 」と呼ばれ、1文字ひっくり返るところがちょっとおもしろかったりしますが、皆さんは銘柄豚 (めいがらとん) についてご存じでしょうか。特に表現についての決まりはなく、品質や評価についても法的な基準はなく、違う呼び方としては「ブランド豚」ともいわれています。
しかし、生産者名と産地表示をしながら水や飼料、飼育方法や豚の品種などにストーリー性を持たせて付加価値をつけて差別化を図り、こだわりの銘柄豚として確立しているものがたくさんあります。
そこで、皆さんが良く見たり聞いたりする「三元豚」についてお話しすると、肉豚をつくる母豚は足腰が強く、健康でたくさん産むために二品種をかけ合わせて雑種化されています。その母豚に発育が良く肉質に優れた雄豚をかけ合わせて肉豚がつくられます。その3品種でできた肉豚が「三元豚」と呼ばれています。ハイポー種豚からつくられる肉豚も「三元豚」です。


ハイポーって?

ハイポーという名称は、ハイブリッド・ポーク (Hybrid pork) の略称です。ハイブリッドと聞くと「雑種」というややマイナスな響きを想像しがちですが、実際には逆です。数種の品種の良いところを選び・掛け合わせることによって、「よりたくさん産み」「より強い子豚となり」「より美味しい豚肉を作る」ことができるのがハイブリッドの強みなのです。
私たちプライフーズハイポー本部は、CSを生産しているのではなく「美味しくて儲かるCS」を養豚農家が生産できるように、その親となる種豚を生産・販売する会社なのです!